赤ちゃんとママの腸内フローラはソックリ
ママのお腹の中にいる胎児の腸内は、生まれるまで完全な無菌状態に保たれています。しかし生まれるとすぐ周囲の環境から微生物に接触・感染し、その細菌が腸まで到達してそこに定着することで腸内細菌群ができるのです。
この腸内細菌群を腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)や腸内フローラといいますが、腸内フローラにはそれぞれ個性があり自分と全く同じ人は1人としていないと言われています。指紋と同じように腸内フローラで個人識別ができるといわれるほどです。
興味深いのは子どもの腸内細菌は母親と似ることが多く、父親と似ることはほぼ無いことです。母子でビフィズス菌を比較すると75%もの確率で遺伝子が一致することをヤクルト研究所も発表しています。
なぜ子どもは母親の腸内細菌を引き継ぎやすいのでしょうか?
赤ちゃんの腸内細菌がママと似ている理由
赤ちゃんの腸内細菌がママと似通う理由は、出産の瞬間にあります。
実は赤ちゃんが生まれる時に通り抜けてくる産道は、腸内ととても似た細菌環境にあります。産道を通る赤ちゃんの口から細菌が侵入・感染し、そのまま腸内に常在菌として定着すると考えられています。
また出産時にいきんでウンチが出てしまうことがありますが、これも赤ちゃんにママの腸内細菌が受け渡されることにつながっています。
帝王切開だとそうはならない
自然分娩ではママと赤ちゃんの腸内細菌が似る可能性が高いことは分かったと思います。しかし帝王切開の場合、そうはなりません。赤ちゃんはママの腸内細菌に接触する機会がありませんからね。
その場合赤ちゃんはどこから細菌に感染して、腸内フローラを作っているのでしょうか?
赤ちゃんが細菌に感染する様々な経路
赤ちゃんが細菌に感染する経路は出産時のママからだけではありません。様々な環境から細菌に感染し、それが腸内を始め口腔内や全身に常在菌として定着していくことになります。
ある調査によると、同じ日・同じ病院で生まれた新生児同士の腸内細菌は高い確率で似通っているそうです。これは生まれた病院の空気や環境内に存在した微生物が赤ちゃんに感染し、常在したことを示しています。
赤ちゃんを取り上げた医師や助産師さんから感染することも考えられます。生まれた赤ちゃんにパパがチューをすれば、パパの口腔にいる菌に感染しそのまま腸内で常在菌として定着するかもしれませんね。
このように赤ちゃんは生まれてすぐ接触するあらゆるものから細菌に感染し、自らの常在菌として利用していく仕組みがあるようです。
ママの腸内環境が赤ちゃんに一生影響する可能性も
実は腸内細菌叢(腸内フローラ)の個性は乳児期に形成され、その後一生変わらないと言われています。ということは生まれてくる赤ちゃんの腸内細菌の一生の個性を決めてしまうのは出産~わずかな期間しかないという事です。
特に一番大きな影響を与えるママは責任重大です!出産時の腸内環境が悪ければ、赤ちゃんが一生影響をうけるかも知れません。出産を予定されている方はしっかり菌活して、腸内を善玉菌で発酵させて出産に臨んでほしいと思います^^
この記事のまとめ

赤ちゃんの腸内細菌の成り立ちなんて知らない人がほとんどでしょう。しかし腸内細菌がわたしたちの体に与える影響はとても大きいものです。
愛するわが子に一生影響する腸内フローラを健康にするのも不健康にするのも、母親である私たちの腸内環境次第ということを覚えておきましょう。