大豆イソフラボン、効果があるのは2人に1人!その秘密は腸内細菌に!
先日、毎回楽しみにして見ていた「ほんまでっか?!TV」にて、おおたわ医師が衝撃的な発言をしていました!
なんと、大豆イソフラボンの恩恵を信じて頑張って大豆製品を摂っていても、イソフラボンを「エクオール」という成分に代謝する腸内細菌がいない人は、イソフラボンの効果は充分に得られないそうです!しかも、この腸内細菌を持つ人は日本人なら約50%だそうです。
スーパーイソフラボン:エクオールを作ってくれるのは腸内細菌
大豆イソフラボンとは、ほとんどのマメ科の植物が持つ化学物質で、その化学構造が女性ホルモンであるエストロゲンと類似しています。
弱い女性ホルモンのような作用を持ち、骨粗しょう症予防や更年期障害、2型糖尿病予防や乳がん子宮体がんのリスク低減の効果が期待されています。
このイソフラボンの一種であるダイゼインは腸内細菌によって、エストロゲン活性のより強い物質「エクオール」に変化しますが、実はこのダイゼインを代謝することでエクオールを作る腸内細菌を持つ人は日本人の約半分。
このスーパーイソフラボンとも呼ばれる、エクオールが作れる人は大豆の健康効果をより効率よく得ることができるのです!う、羨ましい!!!
エクオールのここがスゴイ!エクオールの効果
女性ホルモン「エストロゲン」の代わりに女性の健康を支えるのが、エクオールです。
- 女性ホルモン様作用
- 更年期障害の改善
- 骨粗しょう症予防
- 生活習慣病の改善
- 美容効果
- ガン予防
- 男性の脱毛予防
女性ホルモンの代わりになるかと思えば、男性の脱毛予防まで!?素晴らしいじゃないですかエクオール!順を追って、一つずつ効果をお知らせしていきますね。
女性ホルモン様作用
エストロゲンは年齢と共に減少しますが、エストロゲンが分泌されることで生理や妊娠など女性機能の安定やお肌の健康、精神面の安定にも繋がります。
エクオールはこのエストロゲンに似た分子構造のため、本来であればエストロゲンが入る受容体がエストロゲン低下により空いていた場合、代わりに入ってしまいます。その結果、エクオールはエストロゲンのような働きをするのです。
エストロゲンの受容体は全身に存在しており、その働きは骨、血液、脂質の代謝など様々な働きがあり女性特有のものだけではありません。また、詳しくは解明されていませんが、心筋梗塞や心臓疾患を予防する効果があるのではないかと期待され研究が進められています。
更年期障害の改善
女性が避けて通れない道、更年期。個人差はあるそうですが、下記のような症状があるようです。
のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛、動悸、息切れ、物忘れ(記憶力の低下)、倦怠感、食欲不振、知覚過敏、自律神経失調症様の症状、頻脈、血圧変動、腹痛、微熱、多汗、不眠、疲労感、口の渇き、下痢や便秘、しびれ、関節痛、筋肉痛、性交痛、生理不順、情緒不安定やイライラ、抑うつ気分など精神的な症状
こんなにも多くの症状が出るとは驚きです。。エストロゲンは全身の組織細胞に関わるため、症状は多岐に渡ることが特徴です。実は私の母も最近イライラして眠れないと悩んでいます。年齢と共にエストロゲンが減少する事でこのような症状が出ると言われています。
この減少したエストロゲンの代わりにエクオールを補ってやると、更年期障害を改善させると言われています。
ある実験では、更年期障害に悩む女性の尿中のイソフラボンの排泄量を調べたところ、尿中のイソフラボン量の高低は更年期障害の症状の重さ・軽さの度合いとは関係が無いことが分かりました。
一方で、エクオールの尿中排泄量を調べたところ、尿中のエクオール値が高い人は更年期障害が軽い事が分かりました。
つまり、エクオールを作れない人は、エストロゲン様作用を期待して大豆製品を頑張って摂取しても、イソフラボンでは更年期障害の改善は見込めない、という結果ですね。
大切なのは、腸内細菌によってイソフラボンからエクオールに変換して貰えるかどうか、で更年期障害の改善が初めて大豆製品摂取によって叶うのです。
その他にも、更年期障害に悩む人を対象にしたエクオールを摂取する実験では、126名中、ホットフラッシュの改善が60%の人に見られた事や、首の凝りや肩こりが改善されたという報告がされています。
骨粗しょう症予防
骨粗しょう症になる人の90%は女性と言われています。しかし骨粗しょう症は女性だけでなく男性も加齢と共になる病気です。
実際に、世界仰天ニュースでも取り上げられていたのですが、ダンス中に背骨が骨折、寝がえりで肋骨を12本も折った男性は原因が分からない奇病か?!となかなか原因が分からなかったそうですが、骨粗しょう症でした。
骨粗しょう症になると、些細な事で骨折します。私の祖母も60代で骨粗しょう症を発症してから、玄関で転んだ、風呂場で転んだ、と年に3回は骨折して苦しんでいます。
骨そしょう症、と聞くとショウショウ?なんとなく軽い病気?症状?みたいなイメージがありますが、実際は寝たきりになることもあり、本当に怖い病気なんです。
男女共にもつエストロゲンですが、女性は閉経でエストロゲンが低下すると、年間2%、10年間で20%も骨量が低下する事が分かっています。
エストロゲンには骨からカルシウムが溶け出す事を抑える働きがあるため、これが減少する事で女性の骨粗しょう症リスクが増加するのです。
イソフラボンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える、エストロゲン様作用があることが分かっています。しかし、これには個人差があり、エクオールを一年間摂った実験では、摂らなかった人に比べて骨密度の減少が1.1%で抑えられた、という結果があります。
イソフラボンを二年間摂取する実験でも、エクオールを作れる人の方が改善効果が高いという結果が出ています。
生活習慣病の改善
エストロゲンは、脂質代謝、血管、インスリンの働きにも影響しています。つまり、エストロゲン減少は高脂質、高血糖、高血圧などメタボリックシンドローム(メタボ)と呼ばれる諸症状に直結しています。
私の母も、生活は変わっていないのに数年前から急に高血圧になったと悩んでいますが、これもエストロゲン減少によるものかもしれませんね。。
エクオールを三カ月摂取する実験では、下記のような生活習慣病を改善したという結果が出ています。
- 糖尿病リスクを示すHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)の数値が下がった
- 動脈硬化リスクを示すCAVIの数値が下がった
- 脂質異常の基準となるLDLコレステロールが減少した
美容効果
年齢を重ねるごとに確実に増えていく、シワやたるみなどのお肌の老化。これも実は、エストロゲンが減少するせいで起こると言うことはご存じですか?
お肌にハリや潤いを与えているものはエラスチンと呼ばれるタンパク質で、コラーゲン同士を結び付ける働きをしています。エストロゲンはコラーゲンを作り、エラスチンを肌に繋げ止める働きをします。お肌の老化を防ぐためにはエストロゲンが必要なんです!
エストロゲン減少に伴い、肌は乾燥し、シワ、たるみなどが表れてくるのですが、ここでエクオールに代わりに頑張って働いて貰う事で、お肌の老化を抑える事ができます。
エクオールを三カ月摂取してシワの面積を計る実験では、シワの面積が少なくなる、シワの深さが浅くなるなど、明らかに改善したという報告がされています。
ガン予防
大豆イソフラボンを過剰摂取すると乳がんになる、という話を聞いたことはありませんか?実はこれは誤解を招く表現であり、言葉のままを受け取るとガンを恐れ大豆製品を避ける、という事になりかねません。
イソフラボンにはエストロゲン様作用(エストロゲンに似た働き)があることは前述の通りですが、実は「抗エストロゲン作用」もあります。
抗エストロゲン作用、とは字の通り、エストロゲンの働きを阻害する、という意味ですが、実はエストロゲンの血中濃度が高いと、乳がん(エストロゲン依存性乳がん)が発生しやすくなると言われています。
イソフラボンは抗エストロゲン作用によりエストロゲンの働きを阻害し、乳がんリスクを下げる、と言われています。
一方で、閉経後やホルモン療法中など血中エストロゲン濃度の低い時には、イソフラボンはエストロゲン様作用を示すため、エストロゲン依存性乳がんの増殖を刺激すると考えられています。
これが、エストロゲン依存性乳がん患者さんが大豆製品摂取を控えるべき、と言われている根拠とされています。
しかし、これはあくまで理論的な懸念であって、実際の乳がん患者さんを対象とした大規模な臨床試験や疫学研究の結果ではありませんでした。
最近の臨床試験の結果では、イソフラボンを摂取していた患者群は死亡率、再発率共に低い事が分かっており、ホルモン療法中でも、ある程度の大豆製品を摂取しても問題はなく、むしろ再発リスクを低減する、という事が分かりました。
イソフラボン同様、エクオールにも抗エストロゲン作用、抗酸化作用、ガン細胞の増殖を抑える作用など、多くの抗ガン作用が報告されており、前立腺がんや胃がんなど、多くのガン予防に効果があると言われています。
男性の脱毛予防
女性ホルモン、と言われると男性にはないの?と誤解されそうですが、女性ホルモンは男性の体内でも大切な役割があります。
血中で男性ホルモンのアンドロゲン濃度が高くなると、前立腺がんや脱毛のリスクが高まる事が分かっています。イソフラボンやエクオールには抗アンドロゲン作用があり、アンドロゲンの働きを抑える作用があるため、前立腺がんや脱毛を抑える効果が期待されています。
エクオールを作れる人・作れない人はどんな人?
欧米ではエクオールを作れる人の割合は20~30%と言われ、日本人よりも低い水準となっています。これは、日本人の方が大豆摂取量が多く、また和食など発酵食品を摂取する食文化など腸内環境の違いから生まれた結果ではないかと言われています。
同じ日本人でも、エクオールを作れる人の割合は年代や地域にもバラつきがあります。特に10代から20代の若い世代では、エクオールを生産出来る人の割合は20~30%と欧米並みに低い事が分かっています。
これも、納豆嫌いな関西人や、欧米的な食生活を好む若い世代の腸内環境が原因だとされています。
食事がカギ!エクオールを作れる人の食生活
研究により、エクオールを生産する能力は食生活に関係する事が分かっています。
- 炭水化物からのエネルギー摂取が多い
- 食物繊維を良く摂る
- 緑茶を良く飲む
- 魚油(オメガ3系脂質)を良く摂る
国立健康・栄養研究所の、骨粗しょう症モデル動物での実験結果によると、食物繊維は善玉菌の増殖を促進し、エクオール生産を亢進すること、更にダイゼインと共同して骨量減少を効率よく抑制することが確認されています。
この他にも、エクオールの生産にはストレスや睡眠、運動習慣なども影響してくると考えられていますが、どういう食事や生活習慣でエクオールが増えるのかはまだまだ研究段階。今後の研究結果に乞うご期待!というわけですね!
エクオールを作る菌ってどんな菌?
誰でも作れるワケじゃないエクオール、じゃあそのエクオールを大豆イソフラボンから作ってくれる菌は一体何?って気になりますよね。世界中で様々な研究が行われ、主にヒトの腸内で生きる菌は約12種類発見されています。
大塚製薬が発見したラクトコッカス属(20 ~92株)という乳酸菌は、安全性が高く食品に利用できる事で注目されています。
ヒトの腸内で生きる、エクオールを作れる菌は主に乳酸菌です。乳酸菌は腸内環境の影響を受けやすく、死にやすい事でも知られています。
ちゃんと腸内環境が整っていないと、頑張って大豆製品を食べても、エクオール産生菌が腸内にいても、エクオールが作られないこともあります。
どうすればエクオールが作れるようになるの?
エクオールが作れる神に選ばれし(大げさ?)日本人の半分に入れていなかったら、エクオールは作れないままなの?って気になりますよね。
色々調べてみましたが、残念ながらエクオールを作る菌が腸内に棲みついてくれるかは子供の頃に決まるようで、やはりその腸内細菌がいない人は努力してもエクオールが作れるようになる可能性は低いようです。
ある病院の調査では、エクオール産生能者と大豆製品の摂取頻度を調べたアンケート結果がありますが、ほとんど毎日大豆を食べる人では50%、ほとんど食べない人では24%、とエクオールを作る能力に約2倍の差があることが分かりました。
この結果を踏まえると、子供の頃に腸内細菌の種類が決まるのですから、幼少期に意識的に大豆製品を摂取する事がエクオール産生菌の形成のためにも重要ではないか、と言えることが分かりますね。
どのくらい大豆製品は摂るべき?
エクオール10mgを毎日摂取していると、エクオールの効果を実感出来るという結果が出ていますが、そのためには大豆イソフラボンが30~50mg必要だそうです。
この量は、豆腐なら半丁、納豆なら1パック程度で摂取出来るそうですが、他にも味噌や醤油、おからや枝豆などからも大豆イソフラボンは摂取出来ます。
エクオールが作れない人を救って!
エクオール産生菌は大豆イソフラボンのダイゼインを餌とするので、毎日大豆製品を食べて餌をあげて、腸内で活発に働いて貰わないと勿体ないですよね!美と健康のためにも、腸内環境を正常化して、大豆製品は積極的に摂りましょう!
しかし、子供の頃に決まる腸内細菌の種類。エクオールが作れない人はイソフラボンの効果があまり得られず損なままなの?いえ、大丈夫です!いいサプリがあるんですよー^^
前述の乳酸菌ラクトコッカス20-92を発見した大塚製薬さんから、「エクエル」というエクオールを摂取出来るサプリが発売されています!大塚製薬「エクエル」大豆を乳酸菌で発酵させて作っているそうで、食品として安心して摂取出来そうですね!
私の母も更年期障害で悩んでいるので、オススメしてみようかな~^^
エクオールが作れる?作れない?チェック法
エクオールが作れるのか作れないのか、「ソイチェック」という簡単な検査でチェックできます。
エクオールやイソフラボンは体内で吸収された後1~2日で尿として排出されてしまいます。そのため尿中にエクオールがいればエクオール産生菌が腸内にいると分かるのです。
ソイチェックを申し込み後に簡単な尿検査キットを受け取り、郵送して結果を待つというもの。簡単ですし、私も試してみようかな^^
この記事のまとめ

更年期障害の緩和、骨粗しょう症予防、美容効果、ガン予防などなど、イソフラボン以上に女性を応援してくれるエクオール。このエクオールがしっかり作れるように、腸内環境の正常化が大切です!
エクオールが作れなくても諦めないで!サプリもありますよ☆
しかしエクオール産生菌の多くである乳酸菌は、腸内環境が悪ければすぐに死んでしまいます。
美と健康のために、エクオールの元となる大豆製品を摂る事は勿論のこと、善玉菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖、発酵食品や和食中心の食生活で腸内環境を整えてあげましょう!
腸内環境正常化は一日にしてならず!菌活はライフスタイルの一部として、毎日意識的に行いましょう!